[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今書いている重盛の末娘設定のヒロインと将臣のお話です。 若干ロリコンなので、苦手な方はお気をつけを~。 それを 知るの は 「いらっしゃい、将臣!」 嬉しそうに響くかん高い声。 御簾を越えてもどかしそうにかけてくる姿を愛しく思う。 小松家に世話になるようになり、この少女のところに通うのも日常となっていた。 「よ、一昨日ぶりだな」 「そうね。別に寂しくなんてなかったわ」 甘えることが苦手な彼女は気丈に言う。 「だったら来ない方が良かったか?」 口はしを上げて、いじわるな笑みを作る。 見る見る内に不安げに変わっていく表情を見て、まずったなと感じながらもどこか安心している自分がいた。 「嘘だって。 お前と遊んでんのも楽しいしな」 明るく笑ってくしゃっと頭をなでてやる。 子ども扱いしないで、と言われるかと思ったが、小さな白い手でそっと指を握られる。
「……本当?」 真意を確かめるかのようにまっすぐに見上げてくる。 頼りなく揺れる瞳に、細い方を抱きしめたい欲求に駆られた。 この世界でそんなことをしたら少女の外聞が傷つくだけだ、となんとか我慢する。 「ああ」 将臣は大きく頷いた。 「ならいいわ。 今日は双六をしましょう!」 ころっと笑顔になって、ひかえていた女房に用意を言いつける。 相変わらず女の考えていることは難しい。 同い年の幼なじみもそうだったな、とあの世界を思い返す。 突飛な行動をするところは良く似ていた。 だから守りたいのかもしれない。 望美を守ろうと誓った幼い日のように。
「将臣? どうかした?」 一言も話さないのが気になったのか、振り向いて首をかしげられる。 「や、何でもねえ」 大事なものにするようにそっと頭をなでて、そう言う。
彼は気づいていなかった。 自分がどんな顔をしていたのか。 愛おしげなまなざしに少女の鼓動が跳ね上がったことに。 大きな手が常よりも異常なほど優しかったことに。
それを知るのは、もっと先の話。